3月3日の桃の節句は、女の子のためのひな祭りとしても知られていますよね。
そんなひな祭りには、ちらし寿司を作ってお祝いするという家庭も多いでしょう。
だけど、よく考えてみると、どうしてちらし寿司がひな祭りに食べられるようになったのでしょうか?
その由来について調べてみました。
ちらし寿司☆ひな祭りに食べられるようになった理由
ちらし寿司といえば、ひな祭りパーティーには無くてはならない存在。
その由来というのは、実は案外、古くから伝わっているものなのです。
ちらし寿司自体に大きな意味があるというわけではなく、これはちらし寿司に使われる具材に様々な意味が込められています。
例えばえび。
腰が曲がったえびは、長寿の象徴です。
そのため、女の子の健やかな成長を願うひな祭りにはピッタリの具材となっています。
それからレンコンは、穴が開いており、見通しがきくという意味が込められています。
豆は健康でまめに働けるようにという意味です。
これらの具材による由来だけでなく、三つ葉のような春の食材を使って季節感が出たりもしますよね。
さらに、錦糸卵やニンジンなどが彩を華やかにし、春らしいということで、ひな祭りにピッタリのメニューとして食されるようになったようです。
何気なく食べられているひな祭りのちらし寿司ですが、実はそこには、女の子の成長を願う、様々な想いが込められているのですね。
由来となっている食べ物の意味も、おせちと似通った部分があり、お祝いの席にピッタリな食べ物であることが分かります。
このような意味を考えると、ひな祭りに食べるちらし寿司には、ぜひえびやレンコン、豆といった食材を入れて作りたいですね!
ちらし寿司☆ひな祭りの由来とは?
では、そんなちらし寿司、一体どのような由来から食されるようになったのでしょうか?
ひな祭りにちらし寿司が食べられるようになった由来は、実は1664年までさかのぼります。
この年、今の岡山県である備前で大洪水がありました。
そんな災害から復旧を急ぐため、「一汁一采令」という、汁物一品副食一品しか食べられない決まりができてしまいました。
そんな倹約令を出されたために質素な食生活をすることとなった庶民ですが、どうしても美味しいものが食べたいということで、ちらし寿司が作られるようになったのです。
ご飯にたくさんの具材を入れて食べる。
この方法でなんとか大変な時代をしのいだ庶民の間で、広まった混ぜご飯が、ちらし寿司の原型だと言われています。
それから、ひな祭りとちらし寿司が結びついたのは、平安時代ごろだと言われています。
当時はえびと菜の花を具材としたなれ寿司が主流でした。
それが、色が鮮やかで、具材の1つ1つに意味が込められたちらし寿司に変化していったと言われているのです。
ちらし寿司☆ひな祭りの現在の楽しみ方
ちらし寿司がひな祭りに食べられるようになった由来を知ると、様々な時代の変化が反映されていることが分かります。
また、とても深い意味が込められた食べ物であるということも分かりました。
そんなちらし寿司は、やはり時代と共に食べ方もレシピもどんどん変化してきています。
現在、ひな祭りでのちらし寿司の楽しみ方としては、より見た目を華やかに演出したものが多いですね。
例えばカップに、層のように盛り付けてスイーツ風にアレンジしたちらし寿司。
それから、ひし餅のようにアレンジして作られたちらし寿司もありますね。
また、子供が食べやすいようにという配慮から、具材をツナ缶やきゅうりなど、洋風のものにアレンジしているちらし寿司もあります。
現在の楽しみ方は、ちらし寿司の由来や意味といったものよりも、見た目の華やかさや味のおいしさにこだわったものとなってきています。
食べ物に困らない時代の象徴とも言えますね。
まとめ
「ひな祭りといえばちらし寿司が定番でしょ!」と深く考えずに食べている家庭がほとんどですよね。
だけど、実はそこには日本がかいくぐってきた時代が映し出されており、また具材の1つ1つに意味が込められているのです。
ちらし寿司がひな祭りに食べられるようになった由来を考えながらいただくと、食べ物に対するありがたみが感じられますね。
子供にも、そんなお話をしながら一緒に楽しんでみましょう。