台風が日本に上陸する度に各地で被害が発生するだけに、台風の進路が気になるところですね。
ところで、天気予報などの台風情報を見ていて、進路予想が外れたと感じることはありませんか?
一体、台風の進路予想ってどうやって調べているのでしょうか?
台風の進路を決める要因
目次
台風はフィリピン付近や日本のはるか南の高温海水域で発生します。
台風が日本に向かって近づいてくるかどうかは、台風が発生した場所や、太平洋高気圧と中国の大陸性高気圧の張り出し具合によって決まります。
台風の進路に影響を及ぼすものとは
日本に近づいてきた台風は、太平洋高気圧のヘリを沿うような進路を取りますが、その時の気圧や気温、偏西風などにより進路が変わってきます。
地球の大気は低緯度から高緯度に向かって集められる性質があり、北半球では北方向への対流が生じています。
このため、基本的に発生した台風は北に向かって進路を取ります。
台風が発生する高温海水域は低緯度にあたり、付近を北西に流れている貿易風により北西に進みます。
さらに台風が中緯度にまで北上してくると、今度は中緯度の上空を西から東へ流れている偏西風の影響で進路を北東へと変えて進みます。
季節による台風の進路の違い
台風は春頃は低緯度で発生して西へと進路をとりフィリピンの方へと向かうことが多いですが、夏時期には台風の発生する緯度が高くなります。
貿易風と偏西風の境は季節に寄って南北に移動しています。
夏は偏西風がまだ弱く、貿易風が北上するため、台風は中国大陸の方へ向かうことが多いです。
逆に冬の時期は偏西風が南下しているため、台風は日本に近づく前に東の海上へと流されてしまいます。
秋に発生した台風が日本に接近、上陸することが多いのは、貿易風と偏西風の境が丁度日本の南にくるために、沖縄付近で北東へと進路を変えるからなのです。
台風の東側は風雨が強くなる傾向があります
日本に近づいてくる台風は偏西風の影響で進路を北東へとっています。
また台風は反時計回りで渦を巻いているため、南側から湿った暖かい空気が台風に吹き込むため、台風の東側の方が雨雲が発達しやすく風も強くなる傾向があります。
台風の接近に伴い風雨が強くなりますが、通過後の吹き返しの風にも注意が必要です。
また、台風が梅雨前線や秋雨前線を刺激して、台風が近づく前から大雨による災害が発生することがありますから、天気予報などで最新の気象情報を確認するようにしてください。
台風の進路情報って当たるの?
天気予報で台風情報を見ると、現在の台風の位置とともに、今後台風の中心が到達すると予想される範囲を予報円として発表しています。
この予報した時刻に予報円内に台風の中心が入る確率は70%だそうです。
また3日後も台風であろうと予想される時は5日先までの台風の進路を発表しているようです。
5日後までの予報が分かることから、台風に備える必要の有無についての見通しを立てやすくなります。
早目の対策で台風に備えましょう
台風が接近してくると、風や雨による被害が予想されますから、早目に対策をとるようにしましょう。
家の外では、物干し竿やプランター、ゴミ箱など風で飛び散りやすいものは固定したり家の中に取り込むようにしましょう。
また、雨樋や側溝、排水口の掃除をして落ち葉やゴミ、ドロを取り除いておくようにして、水が流れやすいようにしておきましょう。
テープや飛散防止フィルムを使って、窓の補強をしたり、窓が割れて物が飛び込んできた時に備えてカーテンを締めておくようにします。
防災用品の確認をしておきましょう。
懐中電灯や携帯ラジオなどは予備の乾電池を準備しておくようにします。
非常食など防災用品とその置き場所については、こちらの記事でご紹介していますので、参考にして下さい。
断水に備えて、お風呂の残り湯をとっておいたり、水を貼っておくようにします。
さらに、低地に住まいがある方は、床上浸水になったときのために、家電製品などは2階に移動させておくと被害を抑えることができます。
まとめ
台風の中心気圧や勢力などについては、人が計測しているのではなく、ドボラック法(Dvorak method)と呼ばれる方法でコンピューターにより決定されています。
最初に発表された進路と実際に通過していった経路や予測日が違うと台風情報が外れたと感じるかもしれませんが、刻々と変化する大気の状態や太平洋高気圧の張り出し具合、偏西風の強弱などにより実際の進路が決まりますから、こまめに最新の台風情報を確認するようにしましょう。